厚生年金受給者2000万円足りない?国民年金受給者は5000万!?
「夫婦そろって65歳から30年間生きると、老後資金が総額で2000万円不足する」との試算を発表した金融庁の金融審議会報告書から年金は実質破綻しているのではないか?などと言われてますが
公的年金制度は破綻しない
年金制度の仕組みを理解することで分かります。
公的年金の財源
- 現役世代が支払う年金保険料
- 税金
- 年金積立金
この3つで年金制度は成り立っています。
公的年金が破綻する時は、この3つの財源が全て無くなった時です。
『年金は100年安心』とはこの3つ全ての財源が100年の間で無くなる事はないという意味です。
公的年金財源の内訳
平成29年度
公的年金制度全体で52兆円の収入
- 年金保険料 32兆円(62%)
- 税金等 20兆円(38%)
- 年金積立金は使われていません。
現役世代が支払う年金
年金は自分で積み立てたお金を将来もらうのでは無く『賦課方式』という、現役世代が納めた年金はそのまま高齢者に支払われ、自分がもらう年金は未来の現役世代が納めた年金になります。
年金支払い対象者は3つに分けられます。
- 1号被保険者 自営業者(約1575万人)
- 2号被保険者 会社員、公務員(約4264万人)
- 3号被保険者 会社員、公務員の扶養配偶者(約889万人)
2号被保険者は給料からの天引き(強制徴収)なので、自分で納付している1号被保険者、3号被保険者のはなしになります。そして未納率は2%ほどです。
つまり、年金支払い財源が無くなるには
- 会社員が全員会社を辞める
- 全員が自営業者になる
- 全員が年金を納めない
が必要で現実的に難しです。
税金支払い
税金も社会保障費という名目で年金に、当てられています。
国家、国民が存在する以上税金は必ず発生します。
税金支払いが無くなるという事は、国家の破綻を意味し
警察や消防、道路など公共施設が全て無くなり年金どころの話ではない状態になっています。
年金積立金
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が運用しています。
2018年12月末時点で151兆円あり、2001年以降約57兆円の運用益を上げいます。
株価や債権の評価額は、上下するものなのですが、短期の運用益がマイナスになった時など、マスコミがネガティブな報道をしますが、中長期的に見ればかなり優秀で、堅実な運用を行っています。
年金制度には人口の増減が大きく影響します。
人口が増加すると年金に余裕ができ、逆に人口が減少すると逼迫してきます。
これに対応出来るように政府は人口が増加した時期に年金積立金の残高を増やし、人口が減少していくと取り崩しを行います。
取り崩しの段階になれば年金財源20%に充てられ、
保険料60%・税金20%・年金積立金20%の割合なり、100年後に積立金がほぼ無くなる計算になってます。
積立金の残高水準は経済状況にも左右されますが、急激な人口減少・少子高齢化にも対応出来るように綿密に設計されています。たとて積立金が枯渇したとしても、公的年金の財源の約20%にすぎず、過去からの統計を見ても人口が下がり続けるということは考えにくく、どこかで底打ちし増えていきます。その時にまた年金保険料と税金だけで年金制度を維持することが出来るようになります。
以上のことから公的年金制度が破綻する可能性は著しく低いです!
ただ『年金は100年安心』というのは、支給額を調整しながら年金制度は持続するという意味であって、年金さえあれば何も困らないと意味ではない。
大切なのは『所得代替率』
※現役時の収入の何%ぐらいを年金でもらえるかという指標
現役時の収入が34.8万円あった人は年金を21.8万円貰えることになります。
ただ、この所得代替率は今後下がります。
老後に備える
年金は現役時の収入を100%保障するものでは無く、誰もが老後は貯金や退職金を取り崩しながら生活しています。
老後のライフプランを立てる
どういう生活を送りたいのか?
どこで住みたいのか?
生活水準で必要なお金は大きく変わってきます。
足りないお金は自分で備える
預貯金だけでなく、自分年金や投資をする
老後も稼げるスキルを身につけて収入源をつくっておくが大切です。
金融リテラシーを上げる
お金の勉強をしっかりする!
言葉巧みに買わせようとする手数料の高い保険や投資などを買わない。
詐欺に引っかからないように判断できる力を身につけましょう。
最後に
今騒がれている問題は「厚生年金受給者」の話なのです。
ですが、「国民年金受給者」は、さらに月額の年金収入が15万円くらい低く、5000万円以上足りないという話です。
色々な考え方や切り取られた情報も多いので、自分で考え見極める力が必要です。