小さな幸せ日記

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長寿の秘密☆炎症対策

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スーパー高齢者の秘密

 

歳を取っても、頭も体も元気なスーパー高齢者と一般的な高齢者は何が違うのか?この秘密を探るために、

日本に住む85才~110才の高齢者1554人を対象に、

血液検査で肝臓機能や細胞の劣化など、老化の指標をチェックしたところ、スーパー高齢者は一般的な高齢者に比べて『体の炎症レベルが異様に低かった』という研究結果が出ています。

 

 

炎症とは

 体に何らかの異変が起きたときに、身体に有害な刺激を取り除こうとし、自分を守ろうとする免疫システムのことです。

  • ケガをして、傷口が充血して赤く腫れて熱を持つ
  • 風邪をひいて咳や鼻水、熱がでる
  • アレルギーで、くしゃみや鼻づまり、目の充血

など、体の表面に症状が起こり、一時的な急性炎症なら問題はありませんが、

体の中でジワジワと長期に続く、症状が分かりにくい慢性炎症になると話が変わってきます。

身体を守ろうと免疫システムが働き続けると、血管や細胞などの周辺組織にまでダメージがおよび、やがて全身の機能が低下するからです。

 

謎の体調不良

 「なんだか調子が悪い」「寝ても疲れが取れない」など原因がよく分からない体調不良ってないですか?

約5万人のスウェーデン人男性を集め、自分の体調に関して『とても良い良い普通悪いとても悪い』の5段階で評価してもらいました。

次に、被験者の炎症レベルを調べると「体調が悪い」と答えた人ほど体内の炎症レベルが高く、主観的な疲労感と炎症レベルには強い関係性が見られました。

 

炎症とうつ病

 うつ病の原因には諸説ありますが、セロトニンドーパミンなど脳内ホルモンのバランスが崩れうつ病が引き起こされると考えられていましたが、それではどうしても説明がつかない事例がありました。

しかし、人体がなんらかのダメージを受け「サイトカイン」という炎症性の物質が分泌されることで脳の機能に影響を与えてしまっているのではないか?といううつ病の炎症モデルの仮説がたてられています

 

狩猟採集民と現代人の炎症

 パプアニューギニアで暮らすキタヴァ族は、漁獲と芋類の栽培で暮らす伝統的な部族です。

そんなキタヴァ族220人に血液検査を行ったところ、脳卒中動脈硬化にかかるケースはなく、糖尿病の発症率は約1%(日本は15%)認知症にかかることもなく、ガンの割合もほぼゼロ。

この他の慢性炎症による病気もほぼゼロ。

外傷や感染などの短中期的な炎症がメインで、炎症レベルが低い健康体を維持しています。

ここで疑問に思うのが、私達と狩猟採集民の炎症レベルになぜ差があるのか?

自分で自覚できないレベルの与え続けられる有害な刺激とは一体なんなんでしょうか?

 

3つのフレームワーク

 ハーバード大学の古代人類学者ダニエル・リーバーマン博士が提唱する今と昔を比べて『多すぎること少なすぎること新しすぎること』の3つの枠組みに照らし合わせ、古代と現代のミスマッチが起こっている事柄を見つけると効果的です。

つまり、現代人も古代人も遺伝子的には同じであるにも関わらず、現代人の炎症レベルが高いのは、今まで受けてきた刺激と異なる刺激を受けることによって、この異なる刺激が有害なものと認識され、取り除こうと免疫システムが働き続け慢性炎症が起こっているということです。

多すぎる

 代表的な例は『カロリー』です。

先進国での1日の摂取カロリーは増え続けており、同時に肥満率も増加し続けています。

人体にとって、内臓脂肪は異物として認識され免疫システムが働き、臓器に炎症を引き起こします。

炎症物質で傷ついた血管や細胞は動脈硬化脳梗塞の引き金にもなります。

狩猟採集民は、カロリーが低い食品しかなく、食事にありつけないこともあったためカロリーが足りない環境に適応するよう進化してきました。そのため、高カロリーに対応できるようには設計されていないのです。

少なすぎる

 現代の『睡眠』は量、質ともに悪化しています。日本人の睡眠時間は世界的にみても短く、睡眠不足と炎症に関する研究データも数多く発表されています。

平均の睡眠時間は1日7~9時間、スッキリと目覚めることが大切です。

夜中に何度も目が覚めて、昨日の疲れが取れない。睡眠時間が多すぎても少なすぎても炎症レベルは高くなります。

 

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新しすぎる

 人体への被害が大きいのは『トランス脂肪酸

植物油に水素を付加して作られた人工の油、マーガリンなどです。

アメリカなど海外ではトランス脂肪酸は禁止されていますが、日本ではいまだに日常的に使用されています。

総摂取カロリーの1%をトランス脂肪酸に入れ替えただけでも、悪玉コレステロールの数値は激増。肝臓の働きを乱します。

「新しすぎる」は物質だけにとどまらず、『ストレス』『孤独』なども炎症の原因となっています。

私達の生活の中では、それが炎症の原因だと気づけないようなごく普通のことが、人体レベルではまだ適応できず、有害な刺激として免疫システムが働いてしまっています。

 

 

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まとめ

 

健康に長生きするには、体のなかでジワジワと長期に続く慢性炎症を減らすことです。

古代の生活に近づけるように

3つのフレームワークにある

  • 多すぎるものは減らす
  • 少なすぎるものは増やす
  • 新しすぎるものは無くか、刺激をやわらげる

ことです。全てを完璧にすることは難しいですが、あきらかな悪影響として表面化する前に、その炎症を抑えることは可能です。

人工的なものは避け、なるべく自然のものを選びましょう。